『君が好きなのさ』■君が好きなのさ 谷崎 泉 著書店にずらーっと各巻が並んでいるのを見て 「沢山出てるんだなー。人気があるのかな?」 と思っていたら、ノアールさんが初めの数冊をくれたので一気に読んで、 「絵はちょっと好みじゃないけど、設定が面白い。」 と、残りも大人買いしてしまったモノ。 フジミや秋月さん意外の 『いわゆるBL小説』としてはほぼ最初に読んだものでした。 当時はそれほど夢中にはならなかったのですが、 ピンからキリまでのBL小説を読んで見て なかなか良く出来た小説だったのだとわかりました。 最初好きだった。「主人公がマンガ家」という設定だけでなく 『主人公がだんだん浅井を好きになっていく過程』が、丁寧に書いてある点や、 観月くんや吉田さん、ダニエル等の脇キャラも生き生きしていて、 何度も読み返したくなる本でした。 1 マンガ家としてデビューすることになったつぐみは、出版社のエレベーターで いきなり浅井にキスされたショックで、下書きの原稿を落としたまま帰ってしまった。 後日、社に取りに行くと、週刊誌編集者の広瀬のところに通され 原稿は浅井の自宅にあるという。 隅田川のほとりのそのビルの4階に行ったのぞみは、そこで 「おれのカミさんにする。」という浅井に犯されてしまった。 強姦で始まるパターンは、お約束なんでしょうか??フジミも真夏の被害者も… 結構多い様に思うのですけど、 これは『つかみを早くしなくてはならない』BL小説の必要悪ということで、あまり深く追求しないことにします(苦笑) ちなみに私は『強姦』よりも『これからデビューしていく週刊少年マンガ家』という設定に 「お!ジャンプか?」などと興味を引かれ、読み続ける最初の原動力となりました。 その他、1巻には、浅井の家を出なくちゃと思いつつも マンガの週間連載が決まってしまって、忙しさのあまり居座り続ける自分に「???」なづぐみの様子。 後半は、アシスタントに来た佐々木という男に襲われて、助け出され 浅井の胸で安心する自分にとまどうつぐみが書かれています。 初めは浅井を「がさつな奴」と思っていましたが、今では 「ガサツだけど、包容力あるし~」と思って来ている私は オヤジに甘くなったのかな? 2 相変わらず浅井の家でマンガを書いているつぐみ。 自分では『浅井とは恋人ではない』と思いつつも、体を許している事や、 家にやっかいになっている事にジレンマを感じている。 そこへ観月というアシスタントがやって来た。 殆ど時を同じくして、金髪碧眼のダニエルという男が押しかけてきて 「青二(浅井のファーストネーム)の元恋人だ。」という。 「俺は浅井のことが好きじゃないから…」関係無いというつぐみに 「じゃあ、あちらに連れ返ってもいいんだね」というダニエル。 「それでいいんですか?」と問う観月。 つぐみは、浅井と自分のことについて真剣に考え始めた。 結局、ダニエルの『恋人発言』は、単なる冗談(いやがらせ?)だったのですが、つぐみが動揺し、そしてその自分の動揺に浅井ヘの気持ちのヒントがあるように感じ始める辺りが面白いです。 浅井が「今、つぐみが俺のことを好きでなくても、これから好きにさせるからいいんだ。」と、ダニエルの誘いを断わるところもいいです。 また、このアシスタントの観月クンが、シリーズ全体を通してイイ味だしてるんですよね。私もこんな人、お手伝いサンに欲しいです(笑)。 萌えるキャラはほとんどいないのに、面白いんだよ。次読もう!次! ジャンル別一覧
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